転職が多かった私が、10年近くもひとつの会社に勤めることは快挙でした。しかし、「自分は何をしたいんだろう?」という問いが、どこからかムクムクと沸き上がってきました。仕事だらけの毎日で、一生懸命やっているわりにあまりよく思われていないし……。
転職が多かった私が、10年近く勤めた会社も、売上が思うように伸びなくなり、状況が変化していきました。私自身は40代半ばになり、「もう給料は頭打ちだな」と感じていました。その一方で、仕事は増えるばかり、人は増やしてもらえない、残業はするな、という多くの会社でみられる理不尽な状況にありました。
私が勤めていた会社は全社員数50名程度でした。組織を作った頃は、社長は「部」を作りたがっていて、たった一人しか所属する人がいなくても、「担当者」ではなく「部」にしようとしていました。しかし、それだと無駄も多かったので、ある時大改革をすることになりました。
中小企業をクライアントに抱える経営コンサル会社で、正社員にしてもらい、最初はコンサルタントについてアシスタント業務をしていました。次第に会社が大きくなってきて、管理部門とコンサルティング部門を分けた時に、私は管理部門に異動となりました。
愛猫ボランティアの方から引き取った2匹の雑種の猫。母は「きょうだいの猫」と聞いていたのですが、猫を運んできた人によると、きょうだいではないとのこと。そのせいなのか、とても「仲がいい」とは思えないような2匹の距離感。
私が社会人になってからしばらくして、ある日わが家に猫が2匹来ました。 母曰く「お父さんは帰りが遅いし、あんたたちも家にいないし、いても部屋にいるし、つまらないから」。 その頃は家族全員社会人だったので、家にいない時間が多いのは仕方なかったのですけれども……。
社員として採用してもらった経営コンサル会社は、毎年社員が10名ずつ増えていくような勢いがある会社でした。それだけ書くといいことのように思えますが、社員が増えるということは、社内に人が増えることであって……。オフィスにたった3名しかいなかった状態が、あれよあれよという間に10名に。
アルバイトをしていた経営コンサルタント会社に、登用してもらうことになりました。雇用形態が変わっただけで、仕事の内容はそのまま。コンサルのアシスタント業務をしていました。このアシスタント業務というのは何をするかというと、クライアントの資料作成が主なものでした。
パソコンソフトの販売代理店は、本部が営業停止になってしまい、強制的に終了。その後しばらくして、アルバイト先の会社が、社員に登用してくれたので、ありがたく採用してもらうことにしました。2年足らずの販売代理店で、「どうやら自分は、N先輩みたいにうまくいかないみたいだな」とうっすら気づき、「会社員として地道にやる方が収入になるみたい」と思ったのでした。
経営コンサル会社でアシスタントのアルバイトをしながら、パソコンソフトの販売代理店を続けていました。年末が近くなり、ショールームも盛り上がりを見せている頃、N先輩を通してよくない噂を耳にしました。(営業さんへの給料が滞っているらしい……)