「過去と未来をつなぐライフヒストリー」と題して、私の半生を辿っています。
書くことや言葉との関わり、転職あれこれを書いていますが、「こんなヘンなところがあるんだ!」というのも面白がっていただければ幸いです。
* * *
愛猫ボランティアの方から引き取った2匹の雑種の猫。
母は「きょうだいの猫」と聞いていたのですが、猫を運んできた人によると、きょうだいではないとのこと。
そのせいなのか、とても「仲がいい」とは思えないような2匹の距離感。
追いかけっこをするのは、遊んでいるというよりは、メスのパフィがオスのグロウに意地悪して、追っ払っている感じ……。
そんな状況とはいえ、グロウは窓のない部屋で飼われていたのだそうで、「そんな子を追い返せないでしょう?」という母の意見には同感でした。
もう1匹のパフィは、うちに来るまでどうだったのか覚えていませんが、いずれにしても、2匹とも「うちの子」になりました。
さて、猫を飼ったことのない人に質問です。
飼い猫のイメージってどんな感じですか?
私がそれまで抱いていたイメージは、
「縁側でおばあちゃんとひなたぼっこ」
とか、
「こたつのすそに丸くなってお昼寝」
とか、いずれにしても、人の生活に溶け込みながらも猫は猫で自由にしていて、“手がかからないもの”だと思っていました。
ところが―――
猫が来て1週間。
まず朝の3時から猫の運動会が始まります。
兄弟猫なんかではないし、別々の環境で育った大人の猫が2匹。
しかもメス猫が、気が強くて強くて……。
実家は2階建ての一軒家で、階段を下から上へ、上から下へ、朝の3時に猫2匹がものすごい勢いで駆け回るのです。
鈴のついた首輪をつけたので、まぁ、チリチリチリチリうるさいこと!
家族4人ともこの1週間は完全に寝不足でした。
お腹がすけば当然、「エサをくれ~」とばかりにウロウロするし、戸を開けてほしいとか、何かやってほしいことがあると、人間がやってほしくないこと(スピーカーで爪を研ぐとか)をするし、手がかかりっぱなしでした。
オス猫のグロウは犬みたいな猫で、体も筋肉質でかっちりしており、「グロ!」と呼ぶと、走ってくるというかわいらしさ。
顔については母曰く
「ビョンホンさんより鼻筋が通ってるわよ」
「……」
ビョンホンさんというのは、当時、韓流ブームが起こった頃で、ヨン様に次ぐ人気の俳優、イ・ビョンホンさんのこと。
母はビョンホンさんのファンだったんですね。
「鼻筋が通っている猫って……」と思いましたが、確かにグロウはなかなかイケメンでした。
ただ、これは黒猫の宿命なのでしょうけど、写真を撮ってもどこが顔なのかよくわからない。
残念……。
一方、パフィの方は白黒というわかりやすい柄に加えて、なかなかのフォトジェニックでした。
なぜか写真写りがめっちゃいい! 猫でこんなに違うのか、と思うほど。
興味の対象も異なり、グロウはセミなど“乾きもの”が好きでした。
パフィはヤモリとかトカゲなど、爬虫類をよく捕まえていました。
猫は採った獲物を見せにくる習性があり、一度パフィが、トカゲをこたつのある部屋まで持ってきて放してしまい、人間がパニックになったことがありました。
こんな感じで、猫2匹はぜんぜん違う性格でしたけれども、わが家の“かすがい”となっていったのです。
(つづく)
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