最近でた本ではないのですが、図書館でたまたま借りたらとても良い本だったので、ご紹介します。
今後、こうした、新しくはないけど読んでよかった本を「掘り出し本」としてご紹介していきますね。
あの有名CMはこの人が作ったのか!
先日図書館に行って、今の自分の興味に合いそうな本を数冊借りてきました。
その中の1冊で、見た目のシンプルな装丁に反して、中身はものすごく色鮮やかな世界、に感じた本がありました。
なぜそう感じたかというと、数々のヒット商品を生み出してきた方のお話だからです。
『ヒットの神様 ― 伝説のマーケッターに学ぶ、不況に勝つ知恵』
内田 耀一 (著), コイケ ジュンコ (著)
内田耀一さんは、まだ日本に「マーケティング」という言葉がない時代に、現代まで続くメガヒットを生み出した陰の立役者です。
私と同世代か私より上の世代の方なら、こんなキャッチコピーにご記憶はありませんか?
「ピンクの小粒、コーラック」
「違いがわかる男のゴールドブレンド」
「がんこな汚れにザブ」
これらはすべて、内田さんが手がけてきた広告なのだそうです。
赤ちゃん用品にパステルカラーを使うのは常識ではなかった?
また、赤ちゃん用品というと、淡いピンクやブルーのパステルカラーが定番ですが、以前はそうではなかったそうです。
何の「以前」かというと、内田さんがシッカロールの広告でパステルカラーを使う以前、です。
今では赤ちゃん用品にパステルカラーを使うのは、当たり前すぎるくらい当たり前ですが、これも内田さんがお母さんたちを集めてグループ・ディスカッション調査をした結果、導き出されたことなのだそうです。
びっくりですよね。
しかも、今のようにパソコンどころか、性能の良い計算機すらない時代。
なんと珠算の級を持っている人にお願いして、調査データの集計を行ったのだそうです。
そろばんで集計……
想像するだけで気が遠くなりそうです。(^^;)
時代を感じながら読む面白さ
私が子供の頃によく見た広告やCMと、まだデジタル環境がそれほど整っていない時代背景とを、頭の中で再現しながら読んでいるのが面白かったです。
残念ながら内田さんは他界されてしまい、この本が内田さんの仕事を世の中へ伝える、数少ない窓口となっています。
マーケティングの本、ビジネスの本ではありますが、
「こういう時代に、こういう人が奮闘していたんだ」
という読み物として楽しむこともできます。
ご興味ある方は、手に取ってみて下さいね。^^