文章・書き方・伝え方

ブログの世界観の作り方

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ブログを作ろう、ということになると、WordPressやMovableTypeといったホームページ作成のシステムは何を使ったらいいのか、機能や使い方を調べなくてはならない、など、技術的なことも知る必要がありますが、一方で、「どんなブログにしたいのか?」ということをあまり考えずに始めてしまって、途中で立ち止まる人も多いような気がします。

振り返れば自分自身がそうだったのですが、アフィリエイトのために立ち上げては放りっぱなし、そんなブログがいくつあったことか……。

そこで、自分が望むようなブログにするためには、何を考えたらいいのか、ということをお伝えしていきます。

ちなみに、ウェブサイト全体にも関係することですが、わかりやすく「ブログの世界観」ということで話を進めていきます。

ブログでどんな世界を発信しますか?

あなたのブログはどんな世界観を発信するブログですか?

「いきなりそんなこと言われても……」と、とまどう方もいるかもしれません。

が、これはとっても重要なことです。

はじめから100%決まっていなくてもいいので、「今のところこんな感じかな…?」というのを考えておきましょう。

ブログにしてもメルマガにしても、「誰に」「何を」伝えるかが大事です。

世界観は、その「何を」にあたります。

「世界観」というと難しいかもしれませんが、「何を伝えたいですか?」と聞かれたら、少し答えやすくなるでしょうか?

そもそも、なぜ最初に「誰に」「何を」を決めておかなければならないのか? というと、決めておかないと、発信する内容がブレてしまうからです。

趣味でやっているブログなら自由でいいのですが、「少しでもたくさんの人に見てもらいたい」「ゆくゆくは自分の商品やサービスに興味を持ってもらいたい」と思うのであれば、しっかり考えておきましょう。

先にも書いた通り、とりあえず今の段階で、でけっこうです。

なぜなら、お客様からリクエストが来たり、新しいアイデアが浮かんできたりして、少しずつ変化していくからです。

ひとまず今の段階で、どんなブログにするのか決めておきます。

エステをされている方なら「きれいになるためのワンポイントを伝えたい」「癒しの時間を提供したい」。

お料理の先生なら「家庭料理を豊かにするアイデアをお届けしたい」「健康に美しくなるためのレシピを教えたい」など。

伝えたいことがなかなか出てこない時は、「伝えたくないこと」「書きたくないことを先に出してみるのも手です。

例えば料理なら、「家庭料理のことだけど、“男の料理”ではない」とか、もっと極端に言うと、「作れればいい、というわけではない」とか。

やりたくないこと、書きたくないことを出すと、その反対のやりたいことがあぶりだされてきます。

「私のブログって、どこにいこうとしているんだろう?」とお悩みの方は、一度、時間をとって考えてみてはいかがでしょうか。

そのブログ、誰に向けて書いていますか?

次は、どんな人にブログを読んでもらいたいか?

上でも、「誰に」「何を」伝えるかが大事です、と書きました。その「誰に」の部分ですね。

ブログは不特定多数の人たちに読んでもらうことができるので、つい、漠然とした感じで“みんな”に向けて書いてしまいそうになります。

ですが、それだと残念ながら、なかなか読んでもらえません。

よく例に出されるのが、政治家の演説です。

「国民のみなさん!」と呼びかけられて、「私のことだ!」とハッとする人はどれくらいいるでしょうか?

「まぁ、確かに、私も国民だけど……」くらいには思うかもしれません。

一方、「フジイさん」「21番でお待ちのお客様」「内科でお待ちの藤井さん」というように、自分だとわかるものや具体的な名前で呼ばれたら、「あ、私のことだ」と思いますよね。

ブログでも同様に、どんな人へ呼びかけているのか、決めておきましょう。

ふだん、あまり意識していないかもしれませんが、呼びかける対象が誰かで言葉が変わってきます。

これもわかりやすく極端な例を出しますが、5歳くらいの子供を呼ぶ時と、社長を呼ぶ時では言葉の使い方が全く違いますよね?

小さい子には「〇〇ちゃん、こっち来て~」という感じで言うだろうし、社長には「〇〇社長、こちらへお越しください」とか、「どうぞ、おかけください」といったような言葉になるでしょう。

また、読み手が、あなたが書く内容を知っている人かどうか? というのもポイントです。

例えば、看護師さんが仕事の内容を書くとして、専門用語をそのまま使って書いた場合、私のようなほとんど医療の知識がない人間には、ちんぷんかんぷんな内容になってしまいます。

しかし、同じ看護師さん同士や、医療従事者、医師を対象にした文章であれば、専門用語は共通言語となるので使ってもかまわないわけです。

ということで、ブログは簡単に始めることができるメディアですが、「誰に」向かって発信するのかを決めておかないと、なかなか読んでもらえない、という悲しいことになってしまいます。

初めてブログをやる人は特に見落としがちな視点だと思いますので、気になったら一度考えてみてくださいね。

 

あなたのブログは何色ですか?

3つ目は、 ブログのイメージを決めましょう、ということです。

これは、以前受講したデザインのセミナーで教えてもらったことなんですが、書く時やブログを作る時にもとても役立つので、今進行中の講座でもお伝えしています。

先ほどまでお伝えしてきた、「誰に」「何を」とも関係してきます。

あなたが作る(作っている)ブログは、

  • どんな人に向けて
  • 何を発信して
  • 何をモットーに(ポリシーやミッション)
  • どんな雰囲気で
  • どういうふうに伝える

のでしょうか?

何を伝えるか、どんなポリシーやミッションなのか、によって、ブログで使う色や写真、画像が変わってきます。

例えば、私自身が作っているこのサイトでは、「文章作成に困っている人、疲れた人の保健室みたいなところ」というイメージで、言語化すると、「誠実さ、安心感、気軽に聞けそう」というのが出てきました。

これを元にメインの色を考えたら、エメラルドグリーンような色になりました(このサイトのメインカラーです)。

最初は自分のパーソナルカラーであるバナナイエローのような暖色系を想定していたのですが、ブログで表現したいイメージを考えると「ちょっと元気すぎるかな」と思ったのです。

また、「気軽に聞けそう」というイメージを持っていても、ポップな感じは違うし、サイケで派手な感じでもない。

「安心感」といっても、パステルピンクやかわいらしいモフモフな感じでもない。

こういう「~ではない」ということを文字やイラストにして、見える化しておくのも役に立ちます。

ブログの写真を選ぶ時に複数の写真で迷ったら、どちらがブログのイメージに合うか指針になるのです。

  • 見やすい
  • わかりやすい
  • 流れがスムーズ

といったことも、自分のブログを作る時に求めることとして一度は明文化しておくとよいでしょう。

「見やすい」「わかりやすい」というのは当たり前のことかもしれませんが、集中して記事を書いたり、ひとつのデザインを凝って作ったりしていると、つい、ユーザー目線を忘れてしまうものです。

ブログは色や写真、動画など表現を多彩にすることができます。

だからこそ、指針となるものがないとごちゃごちゃになってしまい、統一感のない、なんとなく見栄えの良くないブログになってしまいます。

雰囲気を合わせるだけでも変わりますので、ご自身のブログに満足がいっていない方は、こういった内容を考えてみてはいかがでしょうか。

役に立つ記事? 日常のこと?

自分の世界観を映し出すブログ。記事には何を書いたらいいのでしょうか?

  • 誰に、何を伝えるブログですか?
  • どんなイメージのブログにしますか?

ということを、先ほどまで見てきました。

では、いよいよ記事を書いてみましょう、となった時に、もしかしたら、自分が設定した事柄にとらわれてしまうかもしれません。

例えば、私の場合はこんな感じの設定になります。

  • 誰に
    書くことに悩み疲れた方へ

  • 何を
    書くためのヒントやノウハウ、本などの情報

  • どんなイメージで
    病院ほど大げさではなくて、学校の保健室みたいに、ちょっと気分が悪い、ちょっとケガしちゃったときに相談できる場所、というイメージ。がっつり「ライターになる!」という人ではなく、「書くことが必要だけど苦手なんです…」「書くのは嫌いじゃないけどなんか進まなくて…」といった人の相談所みたいな感じ。

これを踏まえて記事を書いていきますが、記事の種類として大きく2つあります。

1つは、ノウハウ系の記事

私の場合だと、文章の書き方とかヒント、役に立つ情報などですね。

もう1つは、書き手を知ってもらうための記事です。

商品やサービスのことが書いてあっても、いったいどんな人が提供しているのか? どんな経緯でこれを販売・紹介するようになったのか? といったようことがわからないと、なかなか人は手を出しません。(要は、申し込みをしません)

ちょっと説明が長くなりましたが、例にあげた私のブログの場合、ノウハウ系の記事だけでよいのか? 書き手を知ってもらうための記事だけでよいのか? と考えた場合、どちらも必要ですよね。

なので、「ライティングや書き方について、ノウハウとか情報を書いた記事」も必要ですし、一方で、ふじいみほというのは、「何をしている人なのか?」「どんなことを考えて、どんなことを大切にしている人間なのか?」というような記事もあるといいわけです。

「何を書いたらいいかわからない」という人は多いですけれども、思い切って書くことを決めて書いてしまいましょう!

ノウハウでも、自分らしさがわかる記事でもいいんです。

私自身もよくありますが、書くことを決めないと、なかなか手が動きません。

「これを書く!」と決めるだけで、意外と進んだりします。

ここでは記事の種類を

・ノウハウ系の記事

・書き手を知ってもらう記事

という分け方をしましたが、どちらもあっていいんだよ、ってことです。

ブログの写真と絵文字、どう使う?

ブログに写真は欠かせません。ブログに掲載する写真をどう選んだらよいのか、ということも悩んでいる方は多いかもしれませんね。

2019年の終わりに、フォトグラファーの方と一緒にコラボセミナーをさせていただきました。

その際に、ブログで使う写真の選び方を教えていただいたので、その一部をシェアしますね。

  • アットホームな記事にはアットホームな写真、できれば自分で撮った写真を
  • ビジネス色が濃い内容なら、フリー素材の写真でもOK

こんな感じで選ぶとよいそうです。

例えば、子育て中のパパママ向けの記事を中心としたサイトだとしましょう。

記事の内容としては、やはり、子供への接し方とか、子供と今日こんなことがあったとか、親としてどう考えるかとか、家族や家庭を中心とした内容になるかと思います。

ここで使う写真が、マニュアルやパンフレットに使うようなカチッとした写真だとどうでしょうか?

読んでいる方は意識はしていないかもしれませんが、なんとなく面白みに欠けたり、それこそパンフレットを見ているような気分になるかもしれません。

ご自身やご家族が撮った写真だと温かみが出ますし、リアリティも深まります。

一方、転職や仕事のノウハウなど、ビジネス色の強い内容の記事に、ほんわかしたイラストやキラキラしすぎる花や小物の写真は合いませんよね。(もちろん、そういうテイストの商品を扱っていれば別ですが)

また、いかにも素人が撮った写真、というよりは、フリー素材でもいいので、プロが撮った写真の方が、記事に合うでしょう。

先にも書きましたが、読んでいるほうは何気なく読んでいますが、なんとなく面白くなかったり、なんとなく違和感を感じると、離脱していきます

恐ろしいですねぇ、これ。

どんなにいいことが書いてあっても、読んでもらえなければ書いていないのと同じこと。

たかが写真1枚、と思うかもしれませんが、人間の感覚というのはけっこう敏感で鋭いもので、「なんとなく…」が馬鹿にできません。

カフェに行くと、こんな感じを受けたことはありませんか?

「なんか、落ち着かない…」

「すき間時間に仕事をしようと思ってカフェに入ったのに、なんか集中できない」

または、

「ここ、なんか落ち着くなぁ。また来ようかな」

「すごく集中できた。仕事がはかどって助かった!」

こんな印象を持つことがあると思います。

それぞれのカフェでは何かが違うのです。

BGMの音の大きさなのか、店員さんの笑顔なのか。

たばこのにおいなのか、清潔感なのか。

人それぞれ感じるところは違うと思いますが、その人にとって居心地がいい状態かどうか、小さなことが積み重なった結果、いいと感じたり、「なんか嫌だなぁ」と感じるのです。

ブログもこれに似ていて、「この写真、いいなぁ」と感じる記事もあれば、「…なんかごちゃっとしていて読むのめんどくさいな」と感じる記事もあります。

わかりやすいのは絵文字ですね。

絵文字をふんだんに使っている記事があったとして、絵文字の量や使い方に共感できる人はそのブログが気に入るでしょうし、「いや~、これは使いすぎじゃないの?」と思う人もいるでしょう。

反対に、絵文字を使っていない記事を見て、「すっかすかで、味気ない」と感じる人もいるわけです。

なので、冒頭の話に戻りますが、「誰に」伝えるかを決めておくことは、とっても大事なんです。

絵文字を使うのが正解とか、使わないのが正解とかではなく、あなたが届けたい人に合う表現になっているか、ということが大事なのです。

まとめ

あなたがどんな世界観を発信するかは自由です。

ブログやSNSは未来へつながるメディアとも言えます。

あなたと未来の誰かをつなげるために、ご自身の世界観を発信してみてはいかがでしょうか。

その時に、「誰に」「何を」伝えるのか、決めているのと決めていないのでは、ブログの表現が大きく変わってきます。

まだ考えたことがない人は、ぜひ一度、時間をとって考えてみることをお勧めします。

ご参考になれば幸いです。

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