ライフヒストリー

社会人31-撤退の境界線はどこ?

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「過去と未来をつなぐライフヒストリー」と題して、私の半生を辿っています。

書くことや言葉との関わり、転職あれこれを書いていますが、「こんなヘンなところがあるんだ!」というのも面白がっていただければ幸いです。

  *   *   *

隠れ家的エステサロンの運営は、ひたすらポスティングをして、ともかくまずはお店に来てもらうことをしていました。

しかし、リピーターとなるお客様を増やさないと、けっこう回していくのが厳しい状況でした。

いくら路面店ではなく人も雇っていない隠れ家的な小さなお店といえども、固定費がそれなりにかかります。

それに、チラシを撒けばお客様は来るものの、チラシ代もバカにはなりません。

 

「このままだとまずいなぁ……」と思い、久しぶりに会社員時代にお世話になったコンサルタントのBさんに連絡を取り、相談してみました。

すると、私が心のどこかで気になっていた「この仕事は私に合っているのかどうか」というところを、ズバリ指摘されました。

 

「(会社で一緒に働いていた)Hさんみたいに、人と接するのが好きで上手ならいいけど、藤井さんはちょっと違うんじゃないかな」

「(管理部門にいたのだから、という意味で)もっと合う仕事があるし、今のこの痛みを知ることで、お客さんの気持ちもわかるようになって、より仕事に活かすことができるよ」

「40半ばならまだやり直せるから。僕も同じころ、会社を潰してやり直したんだから、藤井さんだって大丈夫だよ」

このようなことを話して、励ましてくれました。

(イメージ)

私が会社を辞めて起業することを周囲の人に伝えた時、当時会社でお世話になっていた税理士さんをはじめ、3人の方から「境界線を決めておくこと」と言われました。

そのひとりがBさんでした。

境界線というのは、「ここまで状況が悪化してしまったら撤退する」というラインです。

そのラインは、「貯蓄がここまで下がったら」など人によって違いはありますが、ともかくも「もうこれ以上は無理」というところを決めておくのだそうです。

それを越えてまでやろうとすると、本当に大変なことになるわけですね。

その時の私は、まさに境界線の上に立っているようなもので、「もうここまで」という地点にいました。

数少ないリピーターさんのうちのひとりが、お店を出すことに興味を持ってくれたものの、結局、出店は現実化せず、私のエステサロンの運営はあっけなく9月には終わることになりました。

(つづく)

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