ライフヒストリー

社会人7-同じ時間を共有している感動と伝えたい気持ち

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「過去と未来をつなぐライフヒストリー」と題して、私の半生を辿っています。

書くことや言葉との関わり、転職あれこれを書いていますが、「こんなヘンなところがあるんだ!」というのも面白がっていただければ幸いです。

  *   *   *

会社で残業中に聴いた曲がきっかけで、みるみるうちにSIAM SHADEというバンドにはまっていきました。

当時インターネットはあったものの、まだSNSもスマホもなくて、掲示板(BSS)と呼ばれる、文字でやり取りをするスレッド(?)が主流でした。

バンドのことを調べているうちに、ボーカルの栄喜(ひでき)さんが掲示板を立ち上げたことを知りました。
しかも、どうやら掲示板を自分で作っているらしい。

「メジャーデビューしているバンドだよね???」

と状況をイマイチつかめないながらも、その掲示板を毎日チェックするようになりました。

今みたいにスマホがなく、会社のパソコンで見るわけにもいかないので、出勤前と帰宅後に自宅の自分のパソコンで見ていました。

この掲示板、本人が作ったのだから当たり前かもしれませんが、突然、本人登場! ということがあるのです。
例えば、掲示板を開いたら、数分前に本人が書き込みしていた、とか。

(イメージ)

たぶん、今この話をしてもあまり共感を得られないと思いますが、あの頃はまだアーティストとリアルタイムで双方向のやりとりなんてできなかったので、ものすごく感激したのです。

ファンなら誰もが、「あっ、今、同じ時間にこの掲示板を見てるんだ! きゃ~~~!!💕」という気持ちになったと思います。

そんな感じだったので、掲示板の回転が恐ろしく早くて、1日2回は必ず見ないとどんどん流れていき、書き込みを見ることができなくなってしまいます。

この掲示板はファンの新しいつながりも作ってくれました。

文字だけしかないのですが、不思議なことに、

「この人、私と合いそうだな」

「うーん……、この人苦手っぽい」

というのがわかるのです。

そのうちに、掲示板でやりとりして気が合った人たちとライブ会場で会うようになり、ライブ友だちが日本各地にできることになりました。

友だちになった方の中にはニューヨーク在住という人もいて、

「インターネットってすごいなぁ」

と思いました。

いわゆる「オフ会」みたいなことも何度かやったし、ライブの前後も友だちと会って、おしゃべりしたり飲んだりして。

大阪や福岡、仙台、札幌など、自分のお財布がゆるす限り、各地でのライブに参加していました(どれだけライブに行けるのか? を試算するために、Excelで収支表を付け始めたのがこの頃です)。

そういえば、「ライブレポート」を書いて、仲間内でお互いに見せたりしていました。

楽しかった気持ちや、

「メンバーのこんなところが、こんなによかったよ!」

という、伝えたいことがあって書いていたので、ブログとかSNSの始まりって、本当はこういうことなのかなと、ふと思いました。

楽しい思い出は宝物ですね。

(つづく)

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