「過去と未来をつなぐライフヒストリー」と題して、私の半生を辿っています。
* * *
さて、前回は昭和の空気漂う、のんびりとした平和な某研究所でのアルバイトの話でした。
その後、大学でお世話になったあのH教授を通して、「ペルシャ絨毯販売をしている会社で社員を探している」という話をもらいました。
その会社の社長さんは、大学時代にもイラン関係のイベントでお会いしたことがあり、そのお話を嬉しく思いました。
社長さんご自身がイラン人なのですが、私が生まれるよりも前から日本にいて、日本語もペラペラです。すらっとしたスタイルで、いつもピシッとかっこよくスーツを着ている方でした。
小さい会社だとは聞いていたので、社員が5~6人くらいかなぁ、と想像していました。
しかし、それは私の勝手な思い込みでした。
実際に会社に行ってみると、なんと社員はたったひとり! 私が引き継ぐことになっている事務の方だけなのです。
社長の奥様が専務のような働きをしていましたが、会社に所属している社員としては私だけなのです。
しかもたった2週間で引き継ぎをすることになりました。
ペルシャ絨毯に囲まれるのは嬉しいけど、社員ひとり!? どうなることやら……。
(つづく)