ライフヒストリー

大学12-360度に広がる地平線!

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書き方コンサルタントのふじいみほです。

「過去と未来をつなぐライフヒストリー」と題して、私の半生を辿っています。

  *   *   *

イランでの現地研修の前半は、シーラーズ大学にお世話になり、午前中はペルシャ語の授業を受けて、午後や週末はあちこち見学しに行きました。

ちなみに、あちらの“週末”は、金曜日が休みなので、木曜日が週の終わりになります。

イランの暦については、別の記事でご紹介しようと思います。

私はふだんそんなに病気をしないのですが、お腹が弱くて、研修中に腹痛で数日寝込んでしまったことがありました。

ある意味貴重かもしれませんが、あちらの病院で診察してもらったり、世話好きなイランの学生がわざわざ手作りのジュースを持ってきてくれたり、色んな体験をさせていただきました。

なんとか体調も回復して、休みの日に遊牧民を見に行ったことがありました。

肉眼で360度に広がる地平線を見るのは初めてでした。

テレビの旅行ものバラエティ番組でしか見たことのない景色。
黄土色の土漠がひたすら広がり、雲がない真っ青な空との2色の世界。

サーサーン朝ペルシアの遺跡も大きくて迫力がありますが、何もない広い大地が広がるというのも圧巻です。

*本当は自分で撮った写真を掲載したいのですが、なぜか現地研修の時やその後の留学時の写真が、思っていたより手元にないのです。残念。

遊牧民:イランで購入した写真集’Our Homeland Iran’ ( Photos: N. Kasraian, Text: Z. Arshi, 1990) より

遠出した時は、行った先のレストランにも入りますが、ある時、ピクニックみたいに寮から、食糧と鍋や皿を持って出かけたことがありました。

「今日も楽しかったね~」などと言いながら寮に戻ったのですが、乗っていた車のトランクにその食器類を忘れたことに気付きました。

その日は貸し切りバスではなく、タクシーで帰ってきたので、私たち学生はどうしたものかと途方に暮れてしまいました。

しばらくして、そんな途方に暮れた私たちの前に、あのH教授が帰ってきました。

(そういえば、先生はどこに行ってたんだろう?)

……と思ったら、なんと私たちの忘れた食器や鍋を、H教授が取りに行ってくれていたんですね。

その時のH教授は、今の言い方で言うと、まさに「神」でしたね。後光が差していました。

病気になった学生を病院へ連れていったり、忘れ物した鍋を取りに行ったり、大学教授もけっこう大変です。本当にお世話になりました。

(つづく)

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