ライフヒストリー

社会人14-反応のよいチラシ

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「過去と未来をつなぐライフヒストリー」と題して、私の半生を辿っています。

書くことや言葉との関わり、転職あれこれを書いていますが、「こんなヘンなところがあるんだ!」というのも面白がっていただければ幸いです。

  *   *   *

 ハウスクリーニングの会社では、お客様のお宅で掃除をするだけではなく、営業活動もしていました。
 それをしないと、新しいお客様と出会えないので、当たり前と言えば当たり前なのですが。

 営業活動で、訪問営業は苦手でしたが、ポスティングは嫌いではありませんでした。
 営業終了後にスタッフみんなで一斉にチラシを撒きに行く時もあれば、すき間時間に自転車ででかけてちょこちょこ撒くことも。

 当時使っていたチラシは、代々使っていたもので、反応がよいものをずっと使っていました。
 それは、A5サイズの一色刷りで、文字だけでした。

「トイレのおそうじ 3000円」

 それが中央にあって、あとは連絡先とか、簡単な説明とかくらい。
 コストを抑えるため、紙は印刷屋さんの余り紙で、その時々で厚みや質が違い、色もお任せだったので、緑や濃いピンク、青と、これもその時々で違いました。

 このチラシで0.3%くらいはお問合せをもらっていたんです。(チラシを1000枚まいて1件問い合わせがあると、よい方なんです)

(イメージ)

 こんなこともありました。

 ある日、やはりチラシから問い合わせがあり、私がそのお客様の家にトイレ掃除に行きました。
 そのお客様はなんと当時私が読んでいたビジネス書の著者である、有名なマーケッターの会社で講師をしている人でした。

 チラシを見て

「これ、意外とよくできてると思ったんだよ」

と言ってくれました。

 後から確認すると、確かに、そのマーケッターの著書の中で書いてある、効果の出るチラシの書き方の要素を押さえている部分があったのです。
 しかも、このご縁で、定期クリーニングのお仕事をいただくことができました。

 小さい会社でしたが、新宿区や世田谷区が拠点なので、有名人のお客様もちらほらいらっしゃいました。
 もちろん興味本位でお客様の話をすることはできませんでしたが、やはり著名な方にご利用していただけるのは、社員の励みになりますし、楽しい話題でした。

 どんどん有名になって今や世界でも活躍されているピアニストの方や、ステキなライフスタイルの提案で人気が上がっていった女性の方とか、今でもテレビや雑誌で拝見すると嬉しく思います。

(つづく)

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