「過去と未来をつなぐライフヒストリー」と題して、私の半生を辿っています。
書くことや言葉との関わり、転職あれこれを書いていますが、「こんなヘンなところがあるんだ!」というのも面白がっていただければ幸いです。
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パソコンソフトの販売代理店は、本部が営業停止になってしまい、強制的に終了。
その後しばらくして、アルバイト先の会社が、社員に登用してくれたので、ありがたく採用してもらうことにしました。
2年足らずの販売代理店で、
「どうやら自分は、N先輩みたいにうまくいかないみたいだな」
とうっすら気づき、
「会社員として地道にやる方が収入になるみたい」
と思ったのでした。
私がアルバイトとして入社した当初は、本社が大阪にあり、東京のオフィスはコンサルタントのお兄さんがひとりだけ、という状態でした。
それが、1年間であっという間に社員が10名以上に増え、会社もいつの間にか東京が本社になっていました。
支店も名古屋が増えて、毎年10人ずつ人が増えていくような感じ。
まさにベンチャー企業という様相でした。
私の仕事は、初めはコンサルタントのアシスタント業務をしていたのですが、会社が大きくなるにつれて、総務・人事・経理を行う管理部門ができて、そちらに異動になりました。
会社が右肩上がりの間は、本当に毎年人が増えていき、最大で60名ほどまでいったと思います。
同じ会社にいるのに、10名足らずの状態と、60名のそこそこ大所帯ではまったく仕事が変わってきます。
「社員10名の時と同じ考え方をしていては、いけないんだな」
と、ある時ふと気づきました。
一平社員ではありますが、会社の流れに乗っていかないと、気持ちが付いていかず、不満ばかりになってしまいます。
しかし、自分の意思とは関係なく、会社の環境が毎年変わるので、これについていくのは容易なことではありません。
それは経営者である社長も、少なからず似たようなことがあります。
社長自身が会社を動かしており、自分で作った組織なのですが、今度はその組織のせいで、動きにくくなってしまったり、組織を無視した動きをして社員の混乱を招いたり、ということが起こるのです。
会社は大きくしたい、でも、自分の好きなように仕事も社員も動かしたい。
このあたりは、中小企業経営者のジレンマなのかもしれません。
(つづく)